雨はどちらかと言えば好きではない。 ただ、目に留まる風景は、雨の日や雨上がりに多い。 この国には数え切れないほどの、雨にまつわる言葉がある。 雨の日を天気が悪いというけれど、 あらゆる雨に名前をつけて、雨を愛でているようにもみえる。
雨と雨の間の陽差しの中で 取り残されたように浮かぶ昼の月 季節と共に色づいては いつのまにか褪せていく花々 満ちていく日々と、ここに鼓動
途切れなく降る翠雨は 空から青を奪うかわりに 景色を濃く強くしていく 信号の色を吸い込むアスファルトの水たまり 自動販売機の脇で咲くサボテンの花 雨に染まったスカートの裾